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ビーボックスアクアリウム 用品情報

埼玉県八潮市にある関東を代表するアクアショップ


by b-box_goods

かなりよさそう

こんばんは、桑原です。
今日は、新発売の海水魚のエサ「キョーリン 海藻70」が入荷して参りました。

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今までキョーリン社からは、メガバイトというエサの名品が発売されておりました。
今回の「海藻70」は、従来の植物性フード「メガバイトグリーン」以上に、植物質を含むこと、そして「アラキドン酸」という栄養を含むところがウリとなっています。

と、「アラキドン酸」って聞きなれない…と思いましたがARAのことらしい。不飽和脂肪酸ですね。
魚にとっての不飽和脂肪酸は、粘膜の分泌を促進し魚病に対しての免疫をつくることができる成分として、最近の様々なエサに混入されています。

まあ薀蓄は置いておいて。非常に栄養満点の植物性フード、と思っていただければいいと思います。
そこまで繰り返す「植物性」ってどれほど重要なのか。といいますと。
植物性成分というのは、アクアリウムにおけるほとんどの海水魚に欲しいものと考えます。


ええと、まず植物性フードの重要性ですが…その前に、リアルな水槽を考えます。
まずこの「海藻70」、パッケージにも書いてあるのですが、ハギ・ニサダイ向け…なんてのはもちろん食べます。
といっても、だいたいハギ・ニサダイなんて、一部を除いて、ケンカするからどんな大きい水槽でも複数飼育が困難ですよね。普通は2匹くらいしか飼育していないんではないでしょうか。エサにこだわらなくてもたいていなんでもたくさん食べるし。
だから、その1,2匹の為だけに贅沢に植物性フードを使う必要があるのか?という現実…疑問は当然です。
でも、その誤解は解いていきたいところです。もっといろんな魚が植物質を欲しがっているのだ、むしろメインは植物エサだ、と。


通常、皆様はヤッコやチョウチョ、ハナダイ・ハゼ…を飼育していると思われます。
これらは天然ではコケや海綿を常食していたり、植物性プランクトンをふんだんに捕食したコペポーダ等の微生物を食べています。
むしろエビ(≒クリル)のような、極端な動物質のものを好んで食べていることは比較的少ないと思います。考えてみると、例えばフレームエンゼルがエビを襲って食べている姿というのは想像しがたいですよね(まあ天然の状態のクリルもビタミンはものすごく多いのですが)。
また、植物質の欠乏は、色褪せ・顔の穴あき・短命化を促してしまいますが、過剰な摂取の弊害は事実上ない、といえるでしょう。

つまり、普通に飼育されている海水魚は、どちらかといえば植物質のものを拠り所にしているといえます。
ですが、ここで大きな問題が生じます。「食べる・食べない」です。
極端な話、じゃあ海藻ちょん切って与えりゃ理想なの?といっても普通は食べないでしょう。
与えたエサを食べさせる、という行為がある程度は必要です。


海水魚の飼育において「餌付け」がありますが、警戒心や普段食べているものとの形状・においの違いから、例えば冷凍エサと比較して食指の動きにくさがあります。
ここで、エサとしての優劣が生まれてきます。
従来のエサというのは、必須であるとわかっていながらも、植物質の割合を増やしていくと、魚が反応するようなにおいがなかったり、魚が飲み込めないほど硬くなったり粒が大きくなったりしていました。
ほんとにもう、食べるんだけど吐き出しちゃうような堅さのエサ、すごく多いんですよ。魚が食べたいのに飲み込めなくて、繰り返すうちに「ああこのエサ食えないんだ」って魚が覚えちゃって、終いには拒絶しちゃう。例えばコンスピとかゴールデンバタフライなんか顕著ですよね。ハナダイもけっこうそうかな。神経質な中型ヤッコやチョウチョ、ハナダイみたいに、普通のアクアリストが餌付けたい魚が嫌がってしまうという、本末転倒なこと…すごく多いですよ。

で、食べやすさの点だけでいうと植物性のフレークフードがあるのですが、逆に摂取量としては不足してしまうものとなってしまいました。食べても食べても身にならない。ぺらぺらの紙としっかりした顆粒と比較すれば、そりゃそうでしょうね。
で、メガバイトグリーンは「植物質でありながらも顆粒であり、食べやすさ・におい・エサ食いも問題ない」という点をクリアーしていて大ヒットとなっています。そんなメガバイトグリーンのさらに上を行く?植物質なんと70%配合の「海藻70」。期待は膨らみます。
ええとそんなわけで、エサというのは、栄養よりもまず飲み込みやすさを重視して考えています。だって、どんなに栄養満点でも、食べなきゃ意味ないですよね、つついても胃にいかなきゃ意味ないですよね。と、タバスコかかってりゃ何でも食うような店一番の偏食な桑原が書いてみると説得力があるのかないのかわかりませんけども。
で、「海藻70」は、口にした魚がしっかりと飲み込んでいます。
この栄養でこの食べ方なら全く問題ないのではないでしょうか。


と、実際に与えてみて、とりあえずですが使用してみた感を書いてみます。

粒のサイズは、SとM。なのですが、同じメーカーのメガバイトシリーズと比較すると、「海藻70」のS粒=メガバイトのM粒、「海藻70」のM粒=通常海水魚フードのL粒、といった具合でしょうか。

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50円玉との比較では、S粒でこんな感じ。

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M粒だとこういう感じ。



まずS粒を、4センチのフレームエンゼルに与えてみます。

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普通に食べますね。この形状だと、飲んだら吐いてしまうことが多いのですが、「海藻70」は問題なく飲み込みます。
指でつぶしてみたのですが、さくっと潰れます。おそらく吸水すると魚が飲み込みやすい堅さになるんでしょう。ちなみに沈みだすスピードはメガバイトよりちょっと遅いくらい。

次にM粒を、9センチ弱のグリフィスに与えてみます。
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こちらも問題なく食べます。良く見るとM粒はいかにも堅そうなタブレット状なのですが、これも指で潰れますね。
ちなみに「海藻70」M粒は、ツノダシがものすごく食べました。自分も飼育していて手を焼いたのですが、ツノダシって餌付けがそんなに悪くない割には、ものすごく大粒のエサを、しかも量、食べるんですよね。そのくせなかなか太らないし喰い飽きたりするんですが、「海藻70」はかなりいい線いけそうですね。
もちろん長期的にもまた、見ていきたいとは思います。
おそらく小型のクマノミやチョウチョウウオに関しては、形状的にさらに飲み込みやすいメガバイトグリーンの方に分がありそうですが、ヤッコに関しては「小型ヤッコ幼魚→メガバイトS:小型ヤッコ通常サイズ・中~大型ヤッコ幼魚→海藻70S:」…のような使い分けで、問題なくガシガシ与えられそうです。
ちなみに分量的なことをいいますと、メガバイトよりもひとまわり大きなボトルに入っております。ちょっとお買い得感あり、みたいな。
もちろん、いくら栄養がいいからって、一種類だけの給餌はあまりおすすめしません。
大まかにいえば、身体を大きくつくるのがデルマリンフード、シュアー、メガバイトレッドなどの主食~動物質のエサで、その体系を維持しつつより良く仕上げるのが海藻70やメガバイトグリーンなどの植物質よりのエサだと。餌付けや活性アップには冷凍エサ。
とにかくエサは数種類用意していろいろ与えるのが一番です。熱帯魚の飼育ですともう常識論に近いですが、海水魚ではまだまだ浸透していない意識ですので、色々試しながらベストなものを常に提案させていただきたいと思います。



定番化しそうなアイテムにまたひとつ面白いものが組み入りました。
必需品になりそう&さっそくがっつり在庫中ですので、気になる方はお試しを。
by b-box_goods | 2011-10-04 20:10