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ビーボックスアクアリウム 用品情報

埼玉県八潮市にある関東を代表するアクアショップ


by b-box_goods

新規取り扱い!!

こんばんは、桑原です。
外は台風によってすごい雨風。皆様にも被害が及びませんように。

さて、悪天候に負けじと本日入荷して参りました新商品、スリークオーター製のカルシウムリアクターのご紹介を。
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そもそも「カルシウムリアクター」とは?と、相変わらずではございますが、手短な説明を。
カルシウムリアクターというのは、サンゴの骨の成長に必要な栄養を安定して供給してくれるアイテムです。
「メディア」と呼ばれる骨の素を中に入れ、炭酸ガスボンベと併用します。

その前に。かなり乱暴な言い方をすると、サンゴの成長に欲しい栄養は、代表的なもので4つあります。

カルシウム
KH
ストロンチウム
アイオディン



ですね。他にもマグネシウムとかカリウムとかもちろんありますけども、無視できないのはこの4つじゃないでしょうか。

で、カルシウムリアクターが「カルシウム」「KH」を2つ同時に、24時間高濃度で添加してくれるのです。炭酸ガスとメディアを混ぜて、メディアが溶けて栄養水になる、という。
これがどのくらい便利かといいますと…まず、サンゴの栄養というのは、そのほとんどが様々な水質の変化に影響を受けてしまうんですね
栄養、ですので微生物からサンゴまでの様々な生物がそれらを吸収して減少させますし、バクテリアの硝化活動でも変化します。極端に言えば、エサやりや足し水ですら変化の要因になります。
それらを整えるために、添加剤を使用したり、吸着剤を使用したり、水を換えたりして、水槽を維持していくわけです。
カルシウムリアクターの使用によって、そういった影響を受けやすい不安定なカルシウムとKHを、一定に維持できるのです。


それと他に、2通り説明があるんですけども、とりあえず難しい方から書きますね。


カルシウムとKHというのは、化学的にいえば天秤の…反対の関係にあります。

カルシウムが増えると、KHが下がります。
KHが増えると、カルシウムが減少します。


ですので、同時に高い濃度で供給するのがすごく難しいんですよ。「数字で10と-9を用意し、プラスマイナス0にしろ、常に」なんてすぐにできないですよ。でもこれを要求されるのがサンゴ飼育で、「まあ0にはならないけど1とか-1なら0と同じでいいよ」というのが添加剤による飼育。余計わかりにくいですね。


もっと乱暴かつカンタンな言い方で。
「ここに砂糖と塩があります。この小さな鍋の水を、ほんのり甘辛くほどよい味付けにしてね。
 あ、鍋の水は横からテキトーに掬っていくからどんどん減るから替わりに真水足すよ。でも味はいつでも均一にお願いね。」
できるかっつうの。最初は良いけど、どんだけ掬われるかで味なんてすぐ変わっちゃいますよ。
でも、最初から味付けを調整した薄口調味料を用意して、減った割合でだけ足せば間違えないですよね。これをしてくれるのがリアクターです。
ああ余計にわからないですね。すみません


ちょっと脱線しましたが、戻ります。
カルシウムとKHを同時に高濃度で添加できるのがカルシウムリアクターですが、現在、様々な機種が販売されています。
とにかく強い攪拌でメディアを溶かすもの、本体内の圧力が強くムラなくメディアを溶かすものなど、どの機種も長所があります。
ただ、メディアの溶けた、生産される水の栄養分(リアクターの場合はカルシウム濃度、KH値ですね)が飼育者側の調整で決まりますので、一定以上のレベルの機種であれば心配ない場合が多いですね。汚れが取れるスキマーや誰が見ても色合い・まぶしさのわかるメタハラと違って、リアクターの場合は何を指して「高性能」というのかが難しい。
むしろ「対応水量が何リットル用なのか」が重要になるわけですね。「水の栄養の濃さ」ではなく「栄養の濃い水をいかに多く用意できるのか」ということです。

今回ご紹介のスリークオーター製リアクターでは、
1:「炭酸ガスの効率よい溶解」
2:「目詰まりしにくい構造でのメンテナンス性の容易さ」
3:「細かく分けられたラインナップ」

を重要視して製作されています。社長様自身アクアリストというだけあって、使いやすさにこだわった、且つ隙のないラインナップです。

まず1:ですが、これはスリークオーター製に限らず、すべてのリアクターに求められる部分です。
メディアと反応しきれない炭酸ガスは、生産水に含まれたまま水槽内に混入します。
すると、生体の酸欠でのダメージ、pHの低下(炭酸ガスが混入水は低いpH値を示します)、は序の口。最もやっかいな「コケの大発生」「しつこいタイプのコケの成長促進」を促すおそれがあります。そりゃあそうです、水草育成に炭酸ガスを添加する熱帯魚水槽が当たり前に存在するわけですから。
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スリークオーター製のリアクターは「溶かしきれなかった炭酸ガスを、再利用する」リサイクルラインが設けられております*一部機種。万が一の炭酸ガスの添加しすぎも防げますし、逆に微量な添加でも十分な効果を期待できます。


次に2:です。メディアというのは長く使用していると、どろどろに溶けてきます。その状態が長く続くと、溶けたメディアがセメント状に固まってしまい、しっかりと炭酸ガスを添加していても十分な効果を発揮できない場合があります。
カルシウムリアクターというのは、本体内で水がぐるぐる循環しているのですが、上から入って下に抜ける(天地循環とでもいいましょうか)方式と、下から入って上に抜ける「吹き上げ式」のどちらかになります。
スリークオーター製のリアクターは、基本的にすべて吹き上げ式です。
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吹き上げ式は構造もシンプルなため比較的コンパクトになるのですが、メディアがどろどろになった場合、水が抜けやすいところばかりを通過してしまうのがデメリットでした。
ですがスリークオーター製の場合、本体のポンプ強さと本体直径がバランスよく、溶け始めたメディアでもしっかりと反応させることが可能です。満遍なく水が循環するのであれば、構造的に炭酸ガスの逃げにくい吹き上げ式がメンテナンスも楽ですので、見事!!といえます。
まあ明らかにメディアがどろどろな場合は、どんなリアクターでもしっかり洗ってメディアを追加しなおしてくださいね


3:はもう、ビーボックスが取り扱いを決意した最大の理由です。
従来のリアクターは、極端に大容量か小型か、の2択しかありませんでした。1000リットル用か200リットル用か、といったくらいに。
カルシウムリアクターは「大は小を兼ねる」アイテムの典型ですが、それでも「●●リットルで、ミドリイシ飼育にベストなリアクターは?」と聞かれた場合、即答するのは困難でした。水量が適合していても、栄養消費の激しい生体が中に入ることで計算は容易にずれるからです。逆も然り。「サンゴをまばらに入れた大型水槽に魚がある程度過密な水槽」は、対応リアクターを水量から算出するのか水質変化の消費見込みで算出するのかが困難です。だからといって余裕のありすぎる機種を設置するのも、予算・場所等からは正直いかがなものかと思います。
スリークオーター製のリアクターは、小型水槽から600リットルまで、100リットル刻みで分割されたラインナップです。これなら飼育イメージに最適な機種を選択するのも簡単です。

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また、「今はいいけど将来的にミドリイシをたくさん飼育したくなるかも」のような場合にも、無駄なく一つ上の機種を選べます。今までなんて、3ランク上くらいの飛び幅になっちゃってましたから。
性能にすごくこだわる方や600リットルを超える容量の欲しい方には、オーダーメイド特注という対応もされています。すばらしい。

そして、最も小型な機種以外のものは「細かい炭酸ガスの調整も機械でやっちゃおう」といった場合に必要な、pHコントローラ用エレクトロード(センサー)差込口が用意されています。
ビーボックスで在庫するものは基本的にエレクトロード差込口付きです。
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若干の価格の上昇がございますが、その利便性を考えると必須ではないでしょうか。例えばコントローラではなく、「FUKUROW」のようなpHモニターの併用で「最もメディアが溶けるpH」に炭酸ガスを合わせる。なんてこともできますし。


ビーボックスでは、本日よりスリークオーター製カルシウムリアクターの、ご希望の方が多いと思われる機種の在庫・すべての機種の取寄せ・大容量機種のオーダーメイドのご注文受付、が可能です。

スリークオーター様HP
http://www.35garden.com/index.html


サンゴのコンディションががらりと変わる、リアクターの本格導入をこの機会にぜひおすすめいたします。
連休中、ビーボックスのご利用の際にお気軽によろしくお願いします。
by b-box_goods | 2011-09-21 20:12