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ビーボックスアクアリウム 用品情報

埼玉県八潮市にある関東を代表するアクアショップ


by b-box_goods

Mgmedia

こんばんは、桑原です。
前回のエントリで、比重と人工海水において少しだけふれた部分に海水成分がありました。昨日は比重と同時にカルシウム濃度を測定いたしましたが、カルシウム同様に気にしなくてはならない海水成分はたくさんあります。
中でも個人的に最も維持が面倒と思われる、マグネシウムについて少しだけ書いてみます。

海水魚飼育の試験薬で、最も数値の大きい成分がマグネシウムです。「サンゴの骨」とイメージしやすいカルシウムも400~500ppmという数値を測定するのに対し、マグネシウムは1000~1500ppmくらいまでを測定します(少ないものに至ってはアイオディンの0.01ppmとかありますね。多いとたいへん!という硝酸塩だってものすごく多い水槽でもせいぜい200ppmですから、マグネシウムがいかに飼育水中に多いかをイメージできると思います)。
すごく簡潔にいえば、マグネシウムはサンゴの骨に影響します(ソフトコーラルは、細かい骨というか砂のようなものが肉の中に入っていて身体を支えたりしていますので、骨がなくても大きく関係しています。焼く前のお好み焼きの中の千切りキャベツ、あんな感じ。キャベツが骨格でタネが共肉)。ミドリイシのように骨格の発達が顕著なサンゴでは、幹の太さや枝分かれに特に関係しています。
それと、水の「維持能力」・・・pHが下がりにくいとか、一定の栄養が常に存在しているとか・・・そのものですね。

で、マグネシウムの濃度。理想量は1350ppm前後です。良質な人工海水には1200~1400ppmのマグネシウムが含まれています。ですので、その水槽に見合った定期的な換水や、マグネシウムの添加剤の添加をしていれば維持できるわけですが・・・。
実際はけっこうサンゴなどに消費されてしまいますし、スキマーや比重の変動でも簡単にその濃度は動きます。
ここが重要なのですが、文頭で書いた「溶けている量が多い」ので、一度減少してしまったマグネシウムの濃度を大きく上昇させるには、水換えやマグネシウムの添加剤だけでは間に合いません。だからといって多量にマグネシウム添加剤を添加しても、過剰な分はリン酸等と結びついたりその化学的性質上KHやカルシウムを下げてしまいますので非常によくないのです。

ではどうすればいいか。ここで、ご紹介したいのが「マグネシウムメディア」です。
Mgmedia_c0165807_19264455.jpg

「マグネシウムメディア」は、炭酸ガスと反応してマグネシウムを水槽内に放出します。通常、お手持ちのカルシウムリアクターの中に入れて使用します。
あまりにマグネシウム濃度を上昇させてしまうと、カルシウムリアクターの効果が薄れてしまうので、カルシウムメディアの1割の量を投入します。
ただこれだけで、困難なマグネシウム濃度の維持が格段に楽になります。
ビーボックスでは、カルシウムリアクターのご購入時にはマグネシウムメディアも同時にオススメしています。もちろん後からの投入もできます。

2Fショールームではメインのミドリイシ水槽のカルシウムリアクターで使用しています。
Mgmedia_c0165807_19262674.jpg

また、当店お客様で1800×600×600Hクラスの水槽を、ほぼマグネシウムメディアのみで濃度維持できておりますので、効果の程は信頼できるといえるでしょう。
維持するための添加剤や人工海水、換水の手間を考えると非常に便利なアイテムです。

で、カルシウムリアクターとは何ぞや?ということも、また近いうちに書いてみようと思います。


ご購入はこちらからでも可能です。

http://www.b-boxaquarium.com/shopbrand/111/X/page2/brandname/
詳細はスタッフまでお気軽にお聞きくださいませ。

ちょっと堅苦しいエントリとなりましたが、KH/Ca/Mgの関係、知っておくとサンゴ飼育がとても楽になりますよ。
あ、もちろん適正比重でないと調整のスタートラインすら遠くなってしまうので、可能な限り正確な比重での飼育をおすすめいたします。
by b-box_goods | 2011-06-30 19:27