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ビーボックスアクアリウム 用品情報

埼玉県八潮市にある関東を代表するアクアショップ


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比重その1

こんばんは、桑原です。
海水魚飼育における最低限要素として「比重」がございますが、今日はちょっと真面目に「比重」を測ってみようかという試みです。

そもそも「比重」とは。一口にいえば「塩の濃さ。ってか人工海水の濃度」というのが一般認識であると思います。
それでも大まかにいえば正解なのですが、細かくいうと違うという。比重とは「水に溶けている物の量」というのがちょっとだけ正確でしょうか。「水に溶けている物」は、カルシウムだとかマグネシウムだとか、塩以外にもありますからね。
まあその細かい部分は今後にさて置きまして、ちょっと真面目に比重に向き合ってみようかと。

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用意したものは、
ライブシーソルト(当店使用の人工海水)
比重計1(ATAGO屈折計)
比重計2(一般的なもの)
電子天秤(正確に
25℃のクラリティーウォーター1ℓ(イオン水。不純物無しの純水)


です。

さて、先にこの比重計「ATAGO屈折計」の紹介です。

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屈折計とは、光が液体を通過する際に屈折する度合いからその液体に溶けているものの濃度をみる。という、自分で書きながらこれがあってるかは分からなくなりましたが、ようするに光を基準として比重・塩分濃度を見よう。というものでして、まあ光が基準ですから間違いもほとんどなく正確に測定できるというわけです。
特に今回のATAGO製屈折計は精度に優れ、軽量で、金属部品が少なく海水に強いという利便性のほか、屈折計の唯一の弱点である「周囲温度によって結果がずれる」という点もクリアーしているという、屈折計の最高峰ではないでしょうか。


では海水を作ります。
まずどのくらいの濃度にするか。今回使用する「ライブシーソルト」のパッケージを見てみましょう。

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1ℓに対して37.5g溶かすといいよ、と書いてありますので、

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薬剤師も使用する正確さの電子天秤で37.5gを測定し、
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クラリティーウォーターに投入。
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混ぜる混ぜる。んで溶かしてちょっとおきます。
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そして屈折計で測定。
ATAGO屈折計は先端のガラス板に測定したい海水をほんの1,2滴垂らして、明るい場所でレンズを覗き込むだけです。至ってカンタン、それでいて正確。
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桑原は写真がド下手なのでぼんやりしていますが、覗き込むとこんな感じです。
真ん中に目盛り、左右に数字がございますが、左側の数字が比重で右側の数字が塩分濃度です。

で、上側が青、下側が白というように、画像中心を境に背景の色が変わっておりますが、この境目のラインが比重であり塩分濃度です(これはマクロレンズで撮影したので暗いですが、肉眼ではもっとはっきりしています)。
目盛りのおおよそ1.023~1.024が境界で、これが「ライブシーソルトを規定量溶かしたときの比重」です。


「なんだよそれ、水に塩溶かしただけじゃねえか」と思われた方、まさにその通りでございます。
ですが、もし比重計が正確でなかったら?また、今回はリットルあたりの重さで人工海水を溶かしましたが、比重を見ながら溶かした場合の人工海水の使用量ってあってるのか?そもそも溶かす水が冬場冷たいものだったら何を信用するの?ということになりますよね。
では実際に、ごく一般的な比重計で測定してみましょう。

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画像はごく普通の、海水を掬って浮きが指す目盛りの数値を読み取るタイプのもの。あれ、ちょっと浮きすぎじゃね?
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うおお濃いぞ!!1.028です!004も数字がずれています。もし1.028で飼育し続けたら、魚が痩せちゃうくらいの濃度ですね。
屈折計と値が違っている・・・と、いうことは。この比重計で「一般的な比重の推奨値:1.023」に合わせていたら・・・実際は1.019なわけでして、敏感なサンゴ、小さいエビやイソギンチャクにはしんどい薄さ。
「いや、桑原の電子天秤見間違えじゃね?」と、確かに自分でもちょっと心配なので、カルシウムだけでも測ってみましょうか。

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カルシウムテスターには、先日発売になったばかりの「レッドシーリーフコンプリートケアシステム」のテスターを使用します。
きっちり細かく手順を踏んで・・・と。

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最終的に、紫の試薬が青に変わった時点で消費した試薬の量から値を読みます。

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やや上から撮影しているのでちょっとずれて見えますが、対比してみると410ppm近辺というところ。
パッケージにありますように、ちゃんと420ppmカルシウム濃度になりました。
ライブシーソルトも高性能であることが実証されたわけでもあります。うん、安心して使用し続けよう。よかった、天秤の見間違えじゃなかった。

・・・って全然よくない!

比重の高低のずれ・・・冒頭に書きましたように、比重とは塩分以外のカルシウム、マグネシウムなどを指しますので、比重が低いということは、サンゴの成長やpH等水質維持に必要な物質も少ないことになります。
一生懸命、カルシウム濃度を合わせたり真面目に水換えしてマグネシウムレベルの維持に努めたりしているのに、海水が薄いということでもともと持っているそれぞれの物質が何割も少ないのですから、それを合わせるのは気の遠くなるような話です。というかマグネシウムなんてまず合わないですよ。


以前あったお話なのですが、「真面目にやってもミドリイシのポリプも咲かない。ハナガサなんかもしょぼくれてきた」とお悩みのお客様がいらっしゃいました。比重を筆頭に、KH、Ca、Mg、微量元素の添加ペース・・・もちろんアンモニア亜硝酸硝酸塩、リアクターはガスを吹きすぎていないか、まで様々な数値を読み取ってみても大きくおかしいところはありませんでした。
しかし聞いているうちに、マグネシウムが高めで安定「しすぎている」ので、屈折計での測定をおすすめしましたところ、やはりというか比重は1.030・・・掬うタイプの比重計では標準値です。ゆっくりと日数をかけて比重を戻したところ、安心してサンゴが戻りました。
比重は海水魚飼育の基礎にしてずれてはいけないものである。ということですね。


今回使用したのはこの比重計です。
これから水質・水温が不安定な時期に突入します。安心できる海水づくりに、浄水器とあわせて屈折計もご一考くださいませ。
by b-box_goods | 2011-06-29 20:10